新刊
2024年7月に刊行されていたことに遅ればせながら気づきました。
目次
春秋社のホームページに目次が記載されていました。以下に転記します。
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はじめに
第1部 東條由紀彦の市民社会論の検討――「近代から現代へ」再考
1 はじめに――段階論という思考
2 市民社会の歴史家東條由紀彦
3 近代観の転換
4 中西洋の擬装された市民社会論
5 東條における「近代から現代へ」
6 疎外論再考
7 労働力というフィクション
8 「近代から現代へ」再考
9 「公共性の構造転換」再考
10 「祭りの後」のあとに――再び「市民社会とは何か?」
11 おわりに
第2部 斜めから見る「日本のポストモダン教育学」・改
0 はじめに
1 森重雄――「批判的教育社会学」の退却
2 佐々木輝雄――職業教育という辺境から
3 教育のポストモダンとは?
4 世紀転換期日本の教育と労働市場をめぐる議論状況
a 脱学校論の反省
b 職業教育(能力開発)と労働市場
c 着地点?
5 おわりに
おわりに――市民社会論の復権に向けて
1 「効率性のバランスシート」以後
2 資本主義と格差
3 「市民社会」の復権
4 「市民社会派」再訪
5 市民社会と都市
あとがき
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個人的な覚書
目次を見てうれしくなりました。なぜうれしくなったのかを以下に(取り留めなく)書きます。
稲葉先生は中西洋先生の弟子筋であったと記憶しています。
中西洋先生は『日本近代化の基礎過程』が主著なのだと思います(私は読み通せていません)。一般書に近いものだと『〈自由・平等〉と《友愛》-市民社会;その超克の試みと挫折-』でしょうか。後者の『自由・平等と~』について、稲葉振一郎先生はここで書評を載せています*1。
そしてこの書評に登場する東條由紀彦先生(は稲葉先生にとっての兄弟子にあたるひとだったような記憶があります)の『製糸同盟の女工登録制度: 日本近代の変容と女工の人格』は市民社会論としても大変楽しい本でした。
「市民社会論」を稲葉先生が改めて書いて出版している、ということが非常にうれしい。本来の専門分野から離れていない、軸がしっかり残ってるんですよね。良かった。
『市民社会論の再生』、読むのが楽しみです。
ちなみに、先ほど触れた書評に森建資『雇用関係の生成』が触れられておりまして、この本も大変楽しい本なのでみんな読むとよいと思います。
*1:この本も私にはかなり読みづらい本でした。〈〉《》などの特徴的な使い方など、目が泳ぎます。